こんにちは、南晴病院です。南晴病院は連携医療機関とともに東京都23区全域へ精神科訪問診療を提供している医療機関です。本日は南晴病院が提供している訪問診療の新しいシステムについてご紹介していきます。
精神科なのに予約が取りやすい訪問診療
従来の南晴病院の訪問診療システムは、訪問診療を希望する方は初診予約を取り、外来受診する必要がありました。精神科の初診予約は、診察時間が長いことから予約枠が少ないため、予約が取にくいという性質があります。そのため、訪問診療を利用したいときに利用開始できないという問題がありました。
その他に訪問診療の受診に繋がりにくかった理由としては、事前の外来受診では私費看護代がかかっていたことや、家族が代わりに受診する場合でも本人の保険証が必要なため、本人の同意を得る前に相談したいと思っても利用しづらいといったことが挙げられます。
その解決策として当院は無料で専門職が家庭訪問等で事前に面談を行う訪問予診を導入することにしました。医師の初診枠を確保する必要がなくなり、早ければ次の日にも予約できるほど迅速に対応することができるようになりました。面談で医療の必要性の有無を確認し、必要に応じて介護や入院など様々な方面でのご案内も可能です。
訪問診療・往診専門の相談部門を設置
当院に限らず訪問診療では担当者との連絡がなかなか取れないという不満をお持ちではないでしょうか?それは訪問診療の担当者が訪問に出ているため、電話が繋がりにくいのが原因です。
当院では専門の相談部門を設置し、訪問診療・往診に関する情報を一元管理、対応判断基準システムを構築することで、担当者の不在時にも患者様やご家族様の対応ができるようになりました。
地域包括ケアシステムの構築を推進
当院は高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるようにするために医療・介護・福祉などの分野を越えて関係者が協力して包括的な支援を提供する地域包括ケアシステムの構築を推進しています。
理念にもありますが、精神科領域は医療・福祉・地域が包括的に一丸となって支援体制を築くことが重要です。
南晴病院の理念
- 入院医療中心から地域生活中心へ先頭に立って進めます
- 病院で待っているだけではなく自ら地域に出向き、精神障害をお持ちの方の困りごとに寄り添い、本人の意思を尊重した医療を提供します
- 複雑多様化した問題の解決に取り組み、地域包括ケアシステムの構築を推進します
地域包括ケアシステムのためには困ったら、とりあえず医療という認識も壊していかなければなりません。精神科医療は枠組みが重要で、何でも医療で解決しようという考えは医療依存を高めることになりかねません。訪問診療が急な訪問対応をするという行為そのものが半治療的な側面があるという考え方ができます。
急な対応が必要になった時の解決方法を普段から決めて用意しておくことが重要です。訪問診療は、障害者支援、地域支援の一つとして、地域包括ケアシステムの構築に貢献していくことが求められていると考えています。例えば、緊急で医療が必要な時は、バックベッド(後方支援病床)の病院に相談をしたり、生活面の相談であれば24時間対応のを相談をしたりと解決策を講じることができます。
このように困った時の対処方法を見つけるために、福祉サービスとの連携を行う体制を敷いています。より良い訪問診療が提供できるようにシステムを変更しました。これまでの訪問診療のシステムでは再診枠という短い時間の枠に初診患者さんを入れざるを得ない体制でした。
それにより、初診時の問診や記録が不十分で後々不満に繋がりやすいということがありました。また、診察する医師は常勤医に限定し、1回目、2回目の診察で治療方針を立て、以後は希望曜日やエリアを担当する医師が再診をしていくシステムに変えました。
これにより、在宅医療チーム全体での支援に切り替えることができるようになりました。また、体調悪化時は、常勤医による診察に切り替えるなどのルールも追加しました。
訪問診療の対応エリア
当院の訪問診療対応エリアは、3つの医療機関が連携することによって、都内23区全域を訪問エリアにすることができています。
組み合わせで医療体制をつくる
さまざまな支援事業所があり、体制を用意しています。同系列内で訪問看護の導入もすることができます。同一の医療機関のサービスを受けることで、連携をしやすく、医療の恩恵を受けやすいという特徴がありますので、ぜひご検討ください。対象疾患については、これらの精神疾患について訪問診療にて治療を提供することができます。
訪問診療の対象疾患について
- 統合失調症
- うつ病
- 発達障害(児童含む)
- 依存症(アルコール)
- てんかん
- 認知症
- パニック障害
- 不安障害
- PTSD
- 強迫性障害
- 摂食障害
上記以外の診断でも訪問できる可能性がありますので、ぜひご相談ください。